狩浜の景観重要構成要素について

  • 重要文化的景観

これは本浦地区のKさん宅の軒です。明治時代からのりっぱなオリヤ養蚕形式の

建物です。

Kさん宅は農家をされておりますが、なんと昔の船の櫓が軒につるされています。

農家なのに船の櫓??

まさしく本物の櫓なんですが、これはまだ現在のように道路が整備されていなかった時代、海路が重要な物資運搬の手段であったことを物語るものです。

すなわち、海は運搬交通の要であり、今で言うところの国道あるいはJRのような

機能を果たしていました。狩浜のような平地がなく、急斜面に畑を持ち、その

収穫物を運搬するのに、山越えよりも海での移動の方がはるかに省労力であったのです。それで、農家で船を持ち、作物や物資の運搬をしていたその証なのです。

じっくり地域をまわってみると、まだまだこのように櫓が吊ってあるところがあります。一度軒を見ながらの散策をしてみてはいかがでしょうか?