Deepな狩浜を散策してみませんか?
今回は、里(集落)に隠れたあるものを探しにまいります。準備はいいかな?では Let’s go!!
地域づくり活動センターを集落路地方向に歩いて約5分、所狭しと立ち並ぶ家々に注目してください。一般の家屋とほぼ見た目は同じなのですが・・・・明治から昭和にかけて作られた、狩浜を物語るうえで欠くことのできない建造物=養蚕小屋、あるいはオリヤ養蚕とよばれる、お蚕さんを飼育していた家屋が見えてきます。今回注目していただきたいのは、その家屋に組み込まれた普通の家にはちょっとないようなdeepな、養蚕専用のための、ある仕掛けです。果たしてそれは何???
それは・・・、↓
換気孔や吸気孔、換気専用屋根(越し屋根)などです。ちょっと目を凝らして見てください。じっくり見るとほら!ありますね!

矢印の小さな窓のようなところが換気孔です。お蚕さんは二階(あるいは一階)に飼われておりました(オリヤ養蚕の場合は一階に人の生活空間がありました)。高温多湿をさけるため、大きい窓や小さな換気孔をつけて、できるだけ風通しを良くし、自然に近い状態を保つ工夫をしていました。風通しの良い部屋や徹底した温度管理でお蚕さんは育てられたのです。

床下には吸気孔も作られました。床下には暖をつくるための炉があり、外の空気を取り込むために吸気孔はつくられました。今でもこうやって取り外しができます。また湿気を防ぐために高床が多いです。

こちらも床下にある吸気孔。こちらのお家ではこの側面だけで3つの換気孔が確認できました。床も高いです。

部屋の空気を換気するための越し屋根とよばれる換気孔がつくられているお家もあります。部屋の空気をここから逃がしていました。いかに温度管理が大切かを物語っています。

こちらは窓のうえに設置された換気孔です。
このように、最適な養蚕環境を作り出すために、いろいろな工夫や特徴を持った養蚕小屋・オリヤ養蚕は狩浜でいくつか見かけることができます。最盛期には多くの家で養蚕業が行われていました。集落を散策するときはぜひこれらを意識しながら歩いてみて下さい!きっと明治・大正・昭和の暮らしが近くに感じられるにちがいありません。